フラッシュ2022年2月3日
ポスト量子暗号の実装安全性を向上、東北大学とNTTが考案
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東北大学の研究チームは、NTTと共同で、「ポスト量子」暗号(Post Quantum Cryptography)をソフトウェアやハードウェアに実装する際の安全性を高める技術を開発したと発表した。ポスト量子暗号技術の国際標準化候補(9種類中8種類)に共通する攻撃の脅威へ対抗する対策技術を初めて考案・実証した。
現在使われている暗号は、将来的に大規模な量子コンピューターが実現した場合に解読されてしまう可能性が高いとして、米国国立標準技術研究所(NIST)を中心にポスト量子暗号技術の標準化が進められている。東北大学などが今回発表した対策技術は、その数学的安全性を高めるために不可欠な、物理的な攻撃を防ぐためのものだ。対策がなされない場合、例えば攻撃者が消費電力や計算時間の変化を観測したり、故意の出力誤りなどの操作をしたりすることで、暗号が解読される恐れがあるという。
研究成果は、12月の国際暗号学会主催の国際会議「ASIACRYPT 2021」で発表された。今後、ポスト量子暗号製品の安全性向上と国際標準化活動への貢献が期待される。
(中條)
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