フラッシュ2022年12月10日
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150℃で二酸化炭素を一酸化炭素に転換する新材料=早大と高知大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]早稲田大学と高知大学の研究グループは、150℃程度の低温で二酸化炭素を一酸化炭素に転換させる触媒を新たに発見した。従来、二酸化炭素を一酸化炭素に転換するには700℃程度の高温環境を作る必要があり、莫大なエネルギーを消費することが問題だった。
研究グループは外部電場を印加した触媒反応を利用すれば、今回の目的を達成できると考え、低温でより高い性能を発揮する触媒を探索した。その結果、ルテニウム金属微粒子をチタン酸ジルコニウムという安定な酸化物に担持した固定触媒が有効であることを発見した。
発見した触媒を使用して、外部から直接電場を印加し、酸化物表面イオニクスを誘起することで、低温環境でも能動的に反応が進行することを確認した。反応中の触媒の状態を各種オペランド分光分析などで明らかにすることができたという。
研究成果は11月29日、EESカタリシス(EES Catalysis)誌に掲載された。今後は研究結果を基に、より大型のプロセスに成長させていくことが課題になるとしている。
(笹田)
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