フラッシュ2024年4月13日
-
気候変動/エネルギー
地熱エネルギー資源を機械学習で予測=東北大など開発
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東北大学、大阪大学、東北電力の研究グループは、地熱エネルギーの資源を予測する新技術を開発した。この技術は機械学習を活用し、地熱貯留層の状態をより正確に推定することが可能である。地熱貯留層は通常、その地質が複雑で予測が困難であるため、従来の方法では正確な地下の状態を把握するのに限界があった。
地熱エネルギーの開発には、貯留層の詳細な状態を知ることが必要であり、これまでは地下の数値モデルを作成し、計測データと何度も比較しながらモデルを調整する必要があった。このプロセスは膨大なパラメーターの調整を要求し、多くの時間と専門知識を必要としていた。
研究グループは地熱の圧力や温度などのデータを用いて機械学習アルゴリズムを訓練し、数値モデルを自動で推定するシステムを開発した。このシステムは実際の地熱データを用いて検証され、高精度で地熱状態を再現できることが確認された。
研究成果は2月28日、リニューアブル・エナジー(Renewable Energy)誌にオンライン掲載された。従来の方法よりも時間と労力を大幅に削減できることから、地熱エネルギーの開発拡大に大きく貢献すると期待されている。
(笹田)
-
- 人気の記事ランキング
-
- Inside the controversial tree farms powering Apple’s carbon neutral goal 1日100万本の植林が生む 広大な「緑の砂漠」 ブラジル・セラードの光と影
- This American nuclear company could help India’s thorium dream インドが描いた「トリウムの夢」、米企業の燃料技術で花開くか
- Synthesia’s AI clones are more expressive than ever. Soon they’ll be able to talk back. 「不気味の谷」越え近づく? 進化した最新AIクローン技術
- Inside the controversial tree farms powering Apple’s carbon neutral goal 1日100万本の植林が生む 広大な「緑の砂漠」 ブラジル・セラードの光と影