廃プラの23%に適用可、プラスチックを石油やガスに変える新技術
レジ袋やその他のプラスチックごみを溶かして、石油やガスなどの有用な製品に変えられるかもしれない。
世界中の埋立地と海がプラスチックごみでいっぱいになっている。国連によると、過去65年間で製造された83億トンのプラスチックのうち、リサイクルされたのはわずか9%だという。毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に流れ込み、野生生物たちに害を及ぼしている。
今回開発された技術は、レジ袋、玩具、シュリンクフィルムに使用されるプラスチックの一種であるポリオレフィンの廃棄物に適用できる。科学誌『サステナブル・ケミストリー・アンド・エンジニアリング(Sustainable Chemistry and Engineering)』にこの化学プロセスについての論文を発表したイリノイ大学の研究チームによると、ポリオレフィンは、プラスチックごみの約23%を占めるという。新技術では、高温下でポリオレフィンのペレットを溶かして水に溶解させる「水熱液化」と呼ばれるプロセスの副産物として、石油やガス、溶媒を生成する。
既存のプラスチックを再利用して有用な製品に変えることで、汚染の拡大を食い止めるのに役立つ可能性がある。同研究チームによると、この化学変換プロセスは、世界のポリプロピレンでできた廃棄物の約90%に適用できるという。
5Gから6Gへ、通信の世界的研究者・太田 香教授「U35」へのメッセージ
世界の工学者を魅了し続ける
eムック『生殖医療と倫理 変容する「生命の始まり」』特集号
壁を突破する「覚悟」——再生医療産業を開拓、畠 賢一郎氏に聞く
書評:サム・アルトマンはいかにして「AI帝国」を築いたか