AIで出遅れる欧州、起死回生をかけ「ジェダイ」が提案
人工知能(AI)の時代において、米国と中国が急成長するなか、新しい技術を開発する欧州の潜在能力はこのままでは発揮されないままになってしまうかもしれない。
ブルームバーグが、学会や産業界の欧州の専門家117名からなる「欧州共同ディスラプション・イニシアティブ(Joint European Disruption Initiative: JEDI=ジェダイ)」という名のグループの意見を報道した。ジェダイは、研究開発費を倍増するような賭けに出なければ、現在の応用技術の世界において欧州は「存在感がなくなる」かもしれないという。
ジェダイは、欧州諸国が米国国防高等研究計画局(DARPA)をモデルとして、欧州全域で研究開発を推進するための12億ドルの基金を設立することを提唱している。迅速に行動を起こし、諸々のプロジェクトを数カ月以内にも開始すべきだという。フランスのエマニュエル・マクロン大統領も同感のようだ。 ロイター通信によると、マクロン大統領はフランスをAI分野のリーダーにすべく、新しいイニシアティブを今週発表する計画だという。
欧州はこれまで研究に強みを発揮してきたが、実践的な技術に転化できないことが多かった(責任の少なくとも一端は欧州連合の官僚主義にある)。研究開発を強化する新たな取り組みによって状況は変わるかもしれないが、それでもなお、中国や米国との厳しい競争に直面するだろう。
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