EUが欧州グリーンディール発表、2050年までに「気候中立」目指す
欧州連合(EU)は、今世紀半ばまでの「気候中立」を目指す、抜本的な計画を進めている。
計画が実行に移されれば、中国、米国に次いで3番目に温室効果ガス排出量が多いEUが気候変動対策として取り組む「欧州グリーンディール」は、大きな進展を遂げる可能性がある。しかしそのためには、大規模な投資と、ほぼすべての経済部門におよぶ迅速な変革が必要となる。
公開された文書では、加盟国がこれらの野心的な目標を、どのように達成してゆくのかについての具体的な内容はあまり多く示されていない。しかし、明確な目標の達成に向けた戦略を策定するためのタイムテーブルが設定されている。
たとえば、EUの政策執行機関である欧州委員会(EC)は、来年順次、拘束力を伴う「欧州気候法」の提案、温室効果ガス排出量を 2030年までに50%削減する計画の策定、 農業および輸送産業部門の変革のための戦略の作成、多様な資金調達メカニズムの考案などをしていく計画。
欧州の首脳陣は、この取り組みを通じて、急速な気候変動によって被害を受けた人々、企業、地域に対して支援を提供し、「公正かつ社会的に公平」になるように努めると強調している。
EUが12月11日に発表した同計画は、承認のため加盟国の政府機関へと送られた。だが、欧州理事会でポーランドが2050年の目標へのコミットを拒否したことから暗唱に乗り上げている。しかしながら、欧州首脳陣は、計画を推進していく意志を表しており、欧州理事会で6月にポーランドと再度協議すると発表した。
今後10年以内に温室効果ガス排出量を半分に削減するために必要な数の太陽光発電所、風力発電用タービン、その他の持続可能なインフラを整備するには膨大な費用がかかる。その一方で、鉄鋼、セメント、航空、農業部門などから排出される温室効果ガスを除去するために使えるツールはなかなか実用化されそうにない。
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