中国のAI企業が世界進出、ホンダと自律自動車を共同開発
センスタイム(Sensetime)は、躍進著しい中国の若い機械学習企業だ。そしていま、世界最大級の自動車メーカーのために、新しい自律テクノロジーの開発を始めようとしている。
センスタイムは、中国における人工知能(AI)産業がどれほど活気にあふれているかを示す、地元企業のよい例だ。今年の初め、深センの本社を訪問した記者は、センスタイムが幅広いコンピューター・ビジョン・テクノロジーと非常に優れたエンジニアのチームを基礎とした企業だという事実を確認している。
まだ中国以外では無名のセンスタイムだが、7月に4億1000万ドルの資金を調達し、時価評価額10億ドルを超える世界で最も価値あるAIスタートアップ企業の1つとなっており、監視のための顔認識からスマホの拡張現実(AR)まで、中国の大企業にビジョン・テクノロジーを提供している。
海外に打って出たいという野望もある。11月、チップメーカのクアルコム(Qualcomm)は、センスタイムと協力してIoTデバイス向けのAIテクノロジーを開発すると発表した。
センスタイムもホンダも、どのような種類の自律テクノロジーを共同で開発するのかは、正確には語っていない。しかし、センスタイムのプレスリリースは、コンピューター・ビジョンを使って、詳細な地図がなくても自律運転ができる方法をホンダに提供することを示唆している。コンピューター・ビジョンは通常、自動運転のための経路決定やほかの検知システムと組み合わせて使われるため、コンピューター・ビジョンだけで自律運転を実現しようという試みは注目すべき点だ。そのほかにも、両社がロボット工学においてどのような展開をするのか興味深い。
1つ言えることは、 中国のAI企業は、今や西側のAI企業と同じくらい称賛を受けることが増えてきたいうことだ。 米国は、中国企業の技術力にかなり敏感になっている。
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