5万人のがん早期発見を目指す、英国のAIプロジェクトが始動
英国を人工知能(AI)の分野で世界的なリーダーにするため奮闘しているテリーザ・メイ首相は5月21日、がんを発見できるアルゴリズムの開発に数百万ドルも費やす計画を発表した。
メイ首相は、国営の国民保健サービス(NHS)によって収集された医療データを、政府と協力してがんの兆候を認識できるAIの開発に関心のある企業や非営利団体に公開する意向だ。患者の生活習慣に関する情報を収集するとともに、一般開業医が専門医に患者の症状を説明するのに使えるツールの開発を目指す。
2033年までに5万人の前立腺がん、卵巣がん、肺がん、大腸がんをAIで早期発見する計画。英国政府はこれらのがんの早期発見により、がんによる死亡を年間2万2000人防げると推計している。
だが、今回の提案に対して、データのプライバシーや倫理的利用を政府がどう保証するのかとの疑問が起きている。メイ首相は、データ倫理に関する評議会への取り組みを進めることで、こうした疑問を持つ人の不安を和らげたい考えだ。
								5Gから6Gへ、通信の世界的研究者・太田 香教授「U35」へのメッセージ
							
								世界の工学者を魅了し続ける
								eムック『生殖医療と倫理 変容する「生命の始まり」』特集号
							
								壁を突破する「覚悟」——再生医療産業を開拓、畠 賢一郎氏に聞く
							
								書評:サム・アルトマンはいかにして「AI帝国」を築いたか