未来予測の専門家は、なぜノウハウを明かす気になったのか?
テクノロジーは不発に終わる場合もあれば、全てをひっくり返す場合もある。フューチャリストのエイミー・ウェッブは、テクノロジーがどの方向に進むかを見分ける方法を説明する。 by Brian Bergstein2016.12.29
フューチャリストであり、ビジネスコンサルタントでもあるエイミー・ウェッブは、正しく問いかければ、誰でも彼女がしているとおりにできるという。つまり、一時のブームと本当の流行を区別し、テクノロジーがたどるはずの道すじに関する情報を拾い集めるのだ。ウェッブは最近刊行された著書『前兆は語る:なぜ現在の非主流が未来の主流なのか(The Signals Are Talking: Why Today’s Fringe Is Tomorrow’s Mainstream)』で、イノベーションの影響を分析する自身の方法をいくつか明かしている。以下は、MIT Technology Reviewのブライアン・バーグスタイン編集主幹とのインタビューの概要である。
なぜこの本を書いたのですか? ご自身もCEOを務めているコンサルタント会社も、未来に関する洞察で稼いでいます。秘密を明かしているのですか?
私の目標は、もっと多くの人が次に何が起きるのかを予測する能力を身につけられるように、フューチャリストの能力を民主化することです。未来予測の能力は非常に重要だと、とにかく思います。私たちが向かっている方向について心配しているからです。
ありきたりの心配ではありません。私は人工知能ロボットが私たちの仕事を乗っ取り、人類を滅ぼすと信じている人とは違います。私の懸念は、テクノロジーがますます空想的になり、政治化されていることです。その過程において、私たちは本来重要なはずの未来に関する退屈な対話をせずに、空想的未来に執着してしまっています。
「未来に執着」とはどういう意味ですか?
私は過去にあったイノベーションの急増期を振り返って観察しました。個々のイノベーションが注目されると、それに伴うサイクルがあります。電球の発明が突然新聞で報道されると、人びとはとても興奮しました。その後、物事は妙な方向に進みます。これが現代のサイエンス・フィクションの誕生です。現実的なものに対して、空想的なものに突然興味が高まるのです。この現象は灯りや自動車、インターネットの導入でも起きました。今、人工知能(AI)という断崖に直面して、また同じことが起きています。ツイッターのプロフィールで「フューチャリスト」という言葉を今までにない頻度で見かけます。私たちはみんなAIに興奮しています。しかし真面目に何かの方法論によってAIの影響を深く考えている人はそれほど多 …
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