米空軍は低消費電力の
脳型コンピューターに
なぜ関心があるのか?
シリコン製「ニューロン」を実装された半導体は、人工衛星や航空機、ドローンをスマート兵器に変える。 by Andrew Rosenblum2017.01.12
人工衛星や航空機、増え続けるドローンなど、米空軍には空にたくさんの電子の目がある。そこで、脳に着想を得たコンピューター・チップによって、戦車や対空兵器システム等の車両を自動認識する知能を生み出せるかが研究されている。
米空軍研究所(AFRL)の報告によると、IBMが開発した「ニューロモーフィック・チップ(脳模倣半導体)」でレーダーが生成した空中画像に写っている軍や民間車両を識別させたところ、よい結果が得られた。新型チップの精度は通常の高性能コンピューターと同程度だが、電力消費量が20分の1以下だったのだ。
AFRLは2014年にIBMと55万ドルの契約を結び、IBMの脳に着想を得たTrueNorthチップを最初に購入した顧客になった。TrueNorthは哺乳類の脳のニューロンを模倣するように設計された百万個の素子が2億5600万の「シナプス」で接続されたネットワークでデータを処理する。
TrueNorthは既存のコンピューターで使われているテクノロジーとはかなり異なり、ある種の問題についてはエネルギー効率が非常に高い(“Thinking In Silicon”参照)。空軍が興味を持ったのは、TrueNorthを使えば最先端のマシン・ビジョン(一般的に非常に大きな計算能力が必要)を、使えるエネルギーや空間が制約されている場所に配備できるかもしれないからだ。AFRLのチン・ウー主任電子技術者 …
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