フラクタルでAIを訓練、産総研などがデータセットに代わる新提案
産業技術総合研究所の片岡博士らの研究チームは、フラクタル図を使ってニューラルネットを訓練することで、現実の写真の大規模データセットを用いる場合と同様な結果を得られることを示した。手作業で訓練データを作成する労力と時間が省けるだけでなく、偏りを含まないデータセットを作るのに役立つ可能性がある。 by Will Douglas Heaven2021.02.12
画像認識システムのほとんどは、 蛇からミルクセーキや靴まで、何百万枚もの日常物の写真が入った大規模データベースを使用して訓練されている。人工知能(AI)は、物体を繰り返し見せられることで、その種類を区別することを学ぶ。しかし、日本の研究者たちは今回、日常物の写真の代わりにコンピューターが生成するフラクタル図で訓練することで、AIが日常物の認識を学び始めることが可能であることを示した。
これは奇妙だが、画期的なアイデアなのかもしれない。訓練データの自動生成は、機械学習におけるエキサイティングなトレンドとなっている。インターネットから掻き集めた写真ではなく、無限に供給される合成画像を使用することで、手作業で作成された既存のデータセットに伴う問題を回避できるからだ。
より専門化したデータでAIを訓練する前に、基本的なスキルを学ばせる段階を「事前訓練」と呼ぶ。事前訓練を受けたモデルを使うと、より多くの人が強力なAIを使用できるようになる。モデルを一から訓練しなくても、既存のモデルをニーズに適応させられるからだ。
例えば、医用画像を診断するシステムであれば、日常物の写真のデータベースを使う事前訓練によって、まずは形や輪郭といった基本的な視覚的特徴を特定することを学ばせるだろう。その際には、1400万枚以上の写真を有する「イメージネット(ImageNet)」などが使われる。事前訓練を終えた後に、病気の微かな兆候を認 …
- 人気の記事ランキング
-
- Stratospheric internet could finally start taking off this year グーグルもメタも失敗した 「成層圏ネット」再挑戦、 2026年に日本で実証実験
- Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
- The first human test of a rejuvenation method will begin “shortly” ハーバード大教授主導の 「若返り治療」初の試験へ、 イーロン・マスクも関心
- A new CRISPR startup is betting regulators will ease up on gene-editing 期待外れのCRISPR治療、包括的承認で普及目指す新興企業
- How AGI became the most consequential conspiracy theory of our time 変人の妄想から始まった 「AGI(汎用人工知能)」 陰謀論との驚くべき共通点
