遠隔医療アプリの
ヘビーユーザーは
疾病不安障害になりやすい?
スマホアプリの運営企業にとって、ヘビーユーザーは利益を支える大事な顧客だ。しかし、遠隔医療アプリでは、ヘビーユーザーは疾病不安障害ともいえ、医療アプリの使用が病気を生み出す矛盾がある。 by Christina Farr2017.03.15
健康に不安がある人(以前は「心気症」とも呼ばれた)が不安を和らげるには病院に行くしかなかった。だが、スマホアプリの登場で、最近はスマホを取り出すだけで、いつでもどこでも医療専門家と連絡できるようになった。
健康に不安がある人(2013年から「身体症状性障害」や「疾病不安障害」と分類するようになった)は、総人口の1%未満から12%近くいるとする調査もある。「MDLive」や「ドクター・オン・デマンド(Doctor on Demand)」等の遠隔医療アプリは、米国の健康保険が適用され、約40~50ドルの前払い料金で短時間のビデオまたは電話相談ができるため、自分の健康に不安を持つ人にとって魅力的だ。
だが、アプリがあまりに手軽に利用できるため、今後、遠隔医療アプリのせいで疾病不安障害の人が余計に増えかねないと考える医療専門家もいる。すでに疾病不安障害のユーザーが現れ出しており、アプリ・メーカー各社はユーザーに精神科の診察を受けさせるべきか、倫理的問題に直面している。
MDLiveのデボラ・マリガン最高医務責任者(CMO)によると、同社のアプリは2800万人が登録しており、そのうち6%程度(米国人全体の疾病不安障害の割合と大差ない)が疾病不安障害だ。
この問題が面倒なのは、他のスマホアプリであれば、6%の疾病不安障害 …
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