KADOKAWA Technology Review
×
IU35 2025受賞者が集結するSummitを12/17開催!来場申込受付中。
カバーストーリー 無料会員限定
Starbucks Responds to Climate Change, with Mixed Results

温暖化でコーヒー豆激減
スターバックスの対策

スターバックスは気候変動に耐えられるコーヒー豆を農家に配布する一方で、温室効果ガスの排出量は増えている。 by Nanette Byrnes2016.05.09

コーヒーの生育域は赤道付近に広がり、ベトナム、インドネシア、ブラジル、タンザニアなど50か国以上にまたがる。しかし、これらの国々では平均気温の上昇が原因で、すでに農家のコーヒー豆生産高の減少が始まっている。気候変動が原因で過去には影響のなかった葉さび病などの有害な病気がコーヒーの木を襲い、多大な被害を農家に与えているのだ。

国際熱帯農業研究センターの研究によると、このまま温暖化が進んだ場合、2050年までには現在最も人気の高いコーヒー種であるアラビカ種を生産しているブラジルや中央アメリカの農地の80%で、コーヒー生産が困難になるという。同じ期間に全世界の生産量は半減 する見通しだ。生産量が激減すれば、価格は高騰するだろう。

そうなれば、コーヒー生産を基軸にする地元経済が破滅するだけでなく、コーヒー豆を買い付ける大手販売店や商社の担当者は新しい豆農家を探し、供給網を新規に構築しなければならない。「コーヒーの安定供給が非常に厳しい状態にあることは明らかです」と、NGOのコンサベーション・インターナショナル(CI)環境ビジネスパートナーシップ・センター(CELB)で、コーヒーと気候変動問題に取り組んでいるバンビ・セムロック上級戦略アドバイザーはいう。

そのためスターバックスは、気候変動に …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Quantum physicists have shrunk and “de-censored” DeepSeek R1 量子技術でDeepSeekを55%小型化、「検閲解除」にも成功
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2025 2025年のイノベーターが集結「IU35 Summit」参加者募集
  3. Google’s new Gemini 3 “vibe-codes” responses and comes with its own agent グーグルが「Gemini 3」発表、質問に応じて回答形式もAIが判断
  4. How to help friends and family dig out of a conspiracy theory black hole 家族が陰謀論にハマったら: 専門家が語る、 5つの現実的アプローチ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 新たなクリーン・エネルギー源の創出や、食品生産・物流の再構築といった形で経済の主要セクターの脱炭素化に取り組む注目企業10社を紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る