KADOKAWA Technology Review
×
IU35 2025受賞者が集結するSummitを12/17開催!来場申込受付中。
カバーストーリー 無料会員限定
Artificial Pancreas Is First To Raise $1 Million Under New Crowdfunding Rules

人工膵臓が100万ドル調達
出資者は糖尿病患者

糖尿病患者用の人工すい臓製造スタートアップのベータ・バイオニクスは、研究者と糖尿病患者から資金を調達し、100万ドルを集めた。 by Andrew Rosenblum2016.07.29

糖尿病患者用「人工すい臓」の開発を目指すベータ・バイオニクスが今週、一般市民を対象に、オンラインで株式を売る方式を認める新ルールに基づいて、100万ドルを集めた最初のスタートアップになった。

ベータバイオニクスは、ボストン大学の生物医学エンジニアのエド・ダミアーノが設立し、27日の夜に「未公開株」の公募で100万ドル以上の資金を集めた、という記録を作った。775人の出資者は平均1300ドルを払い、糖尿病患者用新型ペースメーカーのアイデアを支援している。

ベータ・バイオニクスが株を売ったクラウドファンディングのポータル「ウィーファウンダー」以外にもスタート・エンジンやフラッシュ・ファウンダーなどのサイトがあり、専門の投資家ではなく、一般に直接株を簡単に売れるようにした5月の証券規則の改正をチャンスとみなしている。

ベータ・バイオニクスはクラウドファンディングだけではなく、リスクのあるスタートアップに一般市民も出資できるようにすべきというテック業界にとってもテストケースになるだろう。新ルールの下で資金を調達している会社には、「映画ファンが所有する最初のハリウッドスタジオ」であるレギオンMやテキサスの醸造会社、新しい遺伝子組み換え生物の開発会社がある。

新株発行の新しいプロセスは「規制型クラウド・ファンディング」として知られており、証券法関連の規制を緩和する最近の政策の一環として、2012年に制定されたJOBS法(Jumpstart Our Business Startups Act:スタートアップ事業促成法)に端を発している。

人工膵臓の技術を開発したダミアーノの10代の息子は1型糖尿病患者で、インスリンを打たないと糖尿病性昏睡に陥る危険がある。糖尿病患者にはすでに体内埋め込み型のセンサーで血糖値を測定している人もいるが、ベータバイオニクスの装置「iLet」は、必要時に自 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Quantum physicists have shrunk and “de-censored” DeepSeek R1 量子技術でDeepSeekを55%小型化、「検閲解除」にも成功
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2025 2025年のイノベーターが集結「IU35 Summit」参加者募集
  3. Google’s new Gemini 3 “vibe-codes” responses and comes with its own agent グーグルが「Gemini 3」発表、質問に応じて回答形式もAIが判断
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 新たなクリーン・エネルギー源の創出や、食品生産・物流の再構築といった形で経済の主要セクターの脱炭素化に取り組む注目企業10社を紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る