KADOKAWA Technology Review
×
動画生成AI「Sora」の問題点とは? 知財専門家が解説【11/12緊急開催🚨】
CA問題だけじゃない、マイクロ・ターティングの本当の脅威
Shop Catalog
ニュース Insider Online限定
Your own devices will give the next Cambridge Analytica far more power to influence your vote

CA問題だけじゃない、マイクロ・ターティングの本当の脅威

フェイスブックのデータ流出事件は、マイクロ・ターゲティング技術の潜在的脅威を改めて認識させた。コンテンツの自動生成やセンサーと結びついたとき、民主主義の未来はどうなるのか。改めて考えてみる必要がある。 by David Carroll2018.04.04

フェイスブックのデータ流出スキャンダルの規模と範囲が拡大するにつれて、多くの疑問が持ち上がっている。フェイスブックは自社に責任があるかどうかに関わらず、なぜ行動を起こすまでにこれほど時間がかかったのか。また、ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)の幹部は複数の国や地域にまたがるトラブルをどれほど抱えているのか。連邦取引委員会(FTC)はフェイスブックに対し正式な調査を開始した。トランプ大統領の支持者で、億万長者のペイパル(PayPal)創業者ピーター・ティールのデータ分析会社パランティア(Palantir)が、スキャンダルへの関与が取りざたされている。トランプ政権の新国家安全保障問題担当大統領補佐官ジョン・ボルトンも同様だ。

だが、最も重要なことは、この事件の将来への影響だ。

ケンブリッジ・アナリティカの行動プロファイリングやマイクロ・ターゲティングが2016年の米国大統領選挙にどの程度の影響を与えたかは明らかではない。しかし、これらのテクノロジーは急速に進歩しており、その影響について研究する学者も、ましてや政治家の対応も追いつけない。行動プロファイリングやマイクロ・ターゲティング分野の次世代企業は、ほぼ間違いなく選挙に影響を与えられるようなテクノロジーの開発をやってのけるだろう。

研究は行動プロファイリングやマイクロ・ターゲティング分野がどのような方向に向かっているかを示している。2015年にニューヨーク市メディア・ラボ(NYC Media Lab)が主催したイベントで、ニューヨーク大学経営大学院レナード・N・スターン・スクールのアレクサンダー・タズヒリン教授(情報システム)は、現在知られているほとんどのターゲティング・アプリケーションが次世代テクノロジーを使っていると指摘した。用いられるデータは、コンテキスト・アウェアネス(状況を捉える技術や概念)、時間や位置の移動情報、複数の基準の評価、ソーシャル・メディア・データ、会話でよく話題にされている事柄などである。これらはインターネット・マーケティング担当者がターゲティングに使用する、標準的なマーケティング・ツールだ(ケンブリッジ・アナリティカも2016年に使っている)。

だが、第3世代のターゲティング・テクノロジーはすでに到来している。タズヒリン教授のような専門家によると、あと2〜3年もすれば、データ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What a massive thermal battery means for energy storage 1000℃のレンガで熱貯蔵、世界最大の蓄熱電池が稼働
  2. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #35 Soraの問題点とは? AI時代の知財を考える11/12緊急イベント
  3. I tried OpenAI’s new Atlas browser but I still don’t know what it’s for 誰のためのブラウザー? オープンAI「Atlas」が残念な理由
  4. An AI adoption riddle AIの試験運用は失敗続き、それでもなぜ投資をやめないのか?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 今回で3回目となる本特集では、なぜこれらの企業を選出したのか、そして米国の政治的変化をどのように考慮したのかについても詳しく解説している。併せてお読みいただきたい。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る