KADOKAWA Technology Review
×
愛猫家に朗報? 遺伝子編集でアレルギーフリーのネコ誕生か
Benjamin Svobodny | Pexels
ニュース Insider Online限定
Don’t hold your breath for allergy-free cats

愛猫家に朗報? 遺伝子編集でアレルギーフリーのネコ誕生か

アレルギーフリーの猫の開発を進めている企業がある。遺伝子編集技術で猫の細胞内の遺伝子を修正し、アレルギーの原因となるたんぱく質を作らせないようにするのだ。原理的には可能な試みであるが、開発を進める企業の前には、いくつもの障壁が立ちはだかっている。 by Kate Sheridan2018.07.24

米国の2つの企業が、遺伝子編集技術を使用して、アレルギーを引き起こさないように猫を改良することを計画している。

バージニア州シャーロッツヴィルに拠点を置くインドア・バイオテクノロジーズ(Indoor Biotechnologies)とコロラド州デンバー郊外にあるフィリックス・ペッツ(Felix Pets)がそれぞれ、アレルギーフリー猫に関するアイデアの特許を出願し、初期の実験を実施中であることを発表した。

とはいえ、猫アレルギーの人々がくしゃみを起こさないですむ猫を当てにするのはおそらく時期尚早だ。両社の取り組みはまだ微々たるものであり、以前にも愛猫家たちは失望させられたことがあるのだ。

遡ること2009年、アレルカ(Allerca)という企業が、遺伝子検査を利用してアレルギーフリーの子猫を世に送り出すと発表し、広くメディアの注目を浴びた。伝えられるところによると、アレルギーフリー子猫の価格は1匹につき4000ドルから7000ドル超だった。

だが、アレルカの発表は明らかに内容の無いものだった。2013年、アレルカが記者に売ろうとした子猫は地元のペットブリーダーから入手した普通の猫だったことがABC(Audit Bureau of Circulations)の報告書で暴かれたのである(コメントを求めたがアレルカから返答は無かった)。 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s pretty easy to get DeepSeek to talk dirty 「お堅い」Claude、性的会話に応じやすいAIモデルは?
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
  3. OpenAI can rehabilitate AI models that develop a “bad boy persona” AIモデル「問題児」、わずか100件のデータで更生=オープンAI
  4. When AIs bargain, a less advanced agent could cost you 大規模モデルはやっぱり強かった——AIエージェント、交渉結果に差
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る