今日、もっともよく見られる機械学習のアプリケーションは、推薦アルゴリズムである。ネットフリックスと ユーチューブは、ユーザーに新しい番組や動画を薦めるのに推薦アルゴリズムを利用している。グーグルとフェイスブックは、ユーザーの検索結果やニュースフィードの表示順位を決定するために推薦アルゴリズムを使っている。こうしたアルゴリズムは非常に便利である一方で、いくつかの望ましくない副作用もある。「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」という言葉をおそらく聞いたことがあるだろう。
こうした副作用に関する不安は、いまに始まったものではない。現在はアップワージー(Upworthy)の最高経営責任者(CEO)を務めるイーライ・パリザーは2011年に、TEDのステージ上でフィルターバブルについて警告した。それよりもさらに前、ハーバード大学の法学者であるキャス・サンスティーン教授は、自著『インターネットは民主主義の敵か(原題:Republic.com)』で「集団極性化」の効果を正確に予測した。集団になることで思考が極端に偏ってしまう「集団極性化現象」が、インターネットの隆盛によって促され、最終的には健全な民主主義の困難な課題になるだろうというものだ。フェイスブックが誕生する3年前のことである。
フィルターバブルとエコーチェンバーの考え方は、2016年の米国選挙の後、瞬く間に大衆に広まり、それぞれに関連する研究が増加した。そしていま、グーグルの人工知 …
- 人気の記事ランキング
-
- How AI and Wikipedia have sent vulnerable languages into a doom spiral AI翻訳のゴミに汚染された ウィキペディア、 マイナー言語にとどめ
- The three big unanswered questions about Sora 時間も資金も溶かす? AI動画SNS「Sora」3つの疑問
- 2025 Climate Tech Companies to Watch: HiNa Battery Technology and its effort to commercialize salt cells 気候テック10:ナトリウムイオンでリチウム代替狙う中国ハイナ
- EV tax credits are dead in the US. Now what? 米EV減税が正式廃止、今後の動きをドイツの先例から予想