フラッシュ2022年3月29日
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「人間並み」の作文力、大規模言語AIをデモ=東大ベンチャー
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学発の人工知能(AI)スタートアップ企業であるイライザは、キーワードを入力すると約6秒で日本語の文章を生成する大規模言語モデルAIを開発。このモデルを用いた文章執筆AI「ELYZA Pencil(イライザ ペンシル)をデモサイトとして一般公開した。日本語においてキーワードから文章生成できる大規模言語AIの一般公開は国内初だという。
イライザは2020年に、国内最大の日本語テキストデータの学習量および国内最大のモデルの大きさを有する大規模言語AI「ELYZA Brain(イライザブレイン)」を開発した。さらに今回、日常・ビジネスの場でよく発生する「文章生成」という問題設定に特化したELYZA Pencilを開発し、一般公開するに至った。デモサイトでは、ニュース記事、ビジネス用のメール、職務経歴書を生成できる。
同社が、選定したキーワードを用いて東大生3人とELYZA Pencilに文章を生成させて評価したところ、ELYZA Pencilの執筆平均速度は6.4秒で東大生の作業時間の56分の1、生成した文章の流暢性はほぼ同水準との結果が得られたという。自然言語処理分野では、2018年のグーグルの大規模言語モデルAI「バート(BERT)」がブレークスルーとなって、英語では実用化したサービスや事例が誕生している。日本語では言語特性に依存する技術的な難易度の高さや公開されているデータ量の問題から実用化が遅れていた。
(中條)
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