フラッシュ2023年9月7日
-
生物工学/医療
新技術で受精卵のゲノム構造を解明=山梨大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]山梨大学、金沢大学、九州大学の共同研究チームは、新たなゲノム解析技術を開発することで、これまで不明であったマウス受精卵の詳細なゲノム構造を明らかにした。将来的に不妊・流産の原因解明など、生殖医療に役立つことが期待される。
研究チームは今回、受精卵のように限られた数の細胞からでもゲノム構造を解析できる技術「微量MNase-seq法」を開発。従来の方法では数百万個の細胞が必要であったゲノム全体におけるヌクレオソーム(染色体を構成する主要なタンパク質)の位置解析を、100個の細胞でできるようにした。
さらに、同技術を用いてマウス受精卵のヌクレオソームがどの位置に存在するのか解析。受精直後の1細胞期はヌクレオソーム同士の間隔のばらつきが大きいが、その後発生が進むにつれて一定の間隔で並ぶようになるという動的変化を見い出し、「YY1」と呼ばれる因子がヌクレオソームの存在する位置の規則性を制御することも明らかにした
DNA上に数珠のように存在するヌクレオソームは、転写因子(遺伝子の発現を調節するタンパク質)などのタンパク質がDNAに結合することを阻害する。そのため、DNA上のヌクレオソームが存在する位置が、ゲノム機能の制御に重要となる。
研究論文は、米国の雑誌、ジーンズ・アンド・デベロップメント(Genes & Development)に2023年8月2日付けで掲載された。
(中條)
-
- 人気の記事ランキング
-
- This scientist rewarmed and studied pieces of his friend’s cryopreserved brain 10年冷凍保存の脳は「驚くほど良好」——蘇生は「まったく別の話」
- Future AI chips could be built on glass AIチップの熱問題、解決策は「ガラス」 年内に商業生産へ
- What do new nuclear reactors mean for waste? 新型原子炉が続々登場、核廃棄物管理の「手引き」は書き直せるか
- The Pentagon is planning for AI companies to train on classified data, defense official says 【独自】米国防総省、軍事機密データでAIモデルの訓練を計画