気候テック10:ナトリウムイオンでリチウム代替狙う中国ハイナ
中国のスタートアップであるハイナ・バッテリー・テクノロジーは、ナトリウムイオン電池の商用化に取り組んでいる。すでに2つの製品の量産を開始した。 by You Xiaoying2025.10.07
- この記事の3つのポイント
-
- ハイナ・バッテリー・テクノロジーが豊富なナトリウムを使った電池の量産を開始し中国で実用化
- リチウム供給の地政学的リスクに対しナトリウムは海塩から抽出可能で400倍豊富な代替素材
- エネルギー密度の低さとコスト高が課題だが2030年に貯蔵市場30%獲得の可能性
今後の数十年間で、世界は電気自動車(EV)に電力を供給し、電力網を安定させるために、今よりもはるかに多くの蓄電池を必要とするだろう。現在、ほとんどの電池セルはリチウムで作られていることから、この鉱物の需要が急激に増加すると予想されている。また、そのことは、サプライチェーンにおけるリスクにもつながる。国際エネルギー機関(IEA)によると、2030年には世界のリチウム供給の85%が中国、チリ、アルゼンチンのわずか3カ国で精製される見込みだ。
だが、世界のバッテリー産業を変えるかもしれない新しい技術が登場している。リチウムの400倍も豊富な元素で作られているナトリウムイオン電池だ。海水や地中の塩分堆積物がある場所ならほぼどこでも発見・抽出でき、何世紀にもわたって採取されてきた。数十年間、この技術の研究は、リチウムイオン電池の巨大な商業的成功によって放棄されていたが、ハイナは現在、ナトリウムに再び脚光を当て、マス市場に送り出すために取り組んでいる。
中国科学院の研究者らが率いるハイナの目標は、リチウムが支配する業界でナトリウムイオン技術を商用化することである。それを実現するため、同社は独自の化学技術を開発する研究所と、セルを大規模に製造する工場を建設した。
ハイナは昨年、量産を開始し、2つのナトリウムイオン製品を市場に投入している。1つは電力貯蔵用の立方体型電池で、2024年7月に運転を開始した湖北省の施設をはじめ、中国の商業規模エネルギー貯蔵施設で使われている。もう1つの …
- 人気の記事ランキング
-
- It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
- Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
- A reality check on the AI jobs hysteria 「ホワイトカラー消滅」 まだデータに兆候なし ——ただし若者に警戒信号
- Inside the stealthy startup that pitched brainless human clones 「臓器袋」から全身置換へ ステルス企業R3が隠す 「脳なし」クローン計画
