フェイスブック、脳インターフェイスの新興企業を10億ドルで買収
リストバンドを使ってコンピューターを操作できる「非侵襲性神経インターフェイス・プラットフォーム」の開発企業をフェイスブックが買収した。
フェイスブックが買収に合意したのは、ニューヨークを拠点とするコントロールラボ(CTRL-labs)。コントロールラボは、脳の信号を利用してコンピューターとやり取りする研究に取り組んでいるスタートアップ企業だ。CNBCによれば買収金額はおよそ約10億ドルになるという。
4年前に創業したコントロールラボの技術や研究について公開されている情報は多くないが、脳の信号をコンピューターへの入力情報に変換できるリストバンドを製作したと主張している。ただし、どれほどうまく機能するのかはまだ不明だ。体に麻痺のある人々が使用する脳コンピューター・インターフェイスの類いは一般に、使いこなそうとすると多大な訓練が必要であり、それでも速度が遅く、エラーが出やすい。イーロン・マスクが創業したニューラリンクも同様の試みをしているが、同社のインターフェイスは実際にはユーザーの脳の内部に埋め込まれる。
ソーシャルメディア会社にしては奇妙な買収だと思われるかもしれない。だが、実際には大いに納得できる買収だ。フェイスブックは7月に、志願者を対象にした大規模な大学研究に出資していることを明らかにした。脳が発する信号を分析することで人が何を言いたいかを把握する「スピーチ解読器」を開発しようとしているのだ。フェイスブックが人の心を読むことに対し、一般の人々がどう感じるのかは今のところ分からない。
5Gから6Gへ、通信の世界的研究者・太田 香教授「U35」へのメッセージ
世界の工学者を魅了し続ける
eムック『生殖医療と倫理 変容する「生命の始まり」』特集号
壁を突破する「覚悟」——再生医療産業を開拓、畠 賢一郎氏に聞く
書評:サム・アルトマンはいかにして「AI帝国」を築いたか