ギグ・エコノミーは不正操作されているか?
ギグ・エコノミー(日雇い経済)は、柔軟な働き方、平等な機会、公平な評価をもたらす、新しい経済圏だと言われている。しかし、平等や公平さを実現するはずのアルゴリズムは人種や性別による偏見があり、プラットフォーム運営企業による改善努力が欠かせない。 by Will Knight2016.11.18
ここ数年、食料品の買い物代行や新しいロゴのデザインなど、個別の作業に人を雇えるアプリやサイトが多く登場している。こうしたサービスは、効率的で公平な労働市場をもたらしそうだが、ノースイースタン大学(ボストン)の最新の研究によると、「ギグ・エコノミー(日雇い経済)」の二大プラットフォームには、人種差別や性差別が横行している。
ノースイースタン大学のクリスト・ウィルソン准教授と博士課程の大学院生アンチャ・ハナクが率いる研究チームが「お遣いプラットフォーム」のタスクラビットと、クリエイティブなサービス市場を提供するファイバー(Fiverr)を調査したところ、どちらのサイトにも人種や性別による偏見がある証拠をつかんだ。
このことは、偏見がオンラインプラットフォームやサービスに紛れ込む一例に過ぎない。問題は、ギグ・エコノミーは、効率的で柔軟な働き方を提供し、しかもアルゴリズムが売り手と買い手を結びつけるので、偏見が少なくなると宣伝していることだ。
研究チームによれば、ファイバーでは、黒人とアジア系の作業者は白人よりも低い評価を受けている。タスクラビットでは、女性が得るレビュー数は男性よりも少なく、黒人の作業者は白人よりも低い評価を受けていた。さらに、最も問題が大きいのは、スクラビットの推薦アルゴリズムに偏見が忍び込んでいる証拠を研究チームが発見したことだ。なお、研究成果は今週ニューヨークの学会で …
- 人気の記事ランキング
-
- Inside the controversial tree farms powering Apple’s carbon neutral goal 1日100万本の植林が生む 広大な「緑の砂漠」 ブラジル・セラードの光と影
- This American nuclear company could help India’s thorium dream インドが描いた「トリウムの夢」、米企業の燃料技術で花開くか
- Synthesia’s AI clones are more expressive than ever. Soon they’ll be able to talk back. 「不気味の谷」越え近づく? 進化した最新AIクローン技術
- Inside the controversial tree farms powering Apple’s carbon neutral goal 1日100万本の植林が生む 広大な「緑の砂漠」 ブラジル・セラードの光と影