KADOKAWA Technology Review
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インテルが嗅覚を模した神経回路チップを開発、臭いの判別に成功
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A new computer chip mimics the neurocircuitry of our noses to smell

インテルが嗅覚を模した神経回路チップを開発、臭いの判別に成功

インテルは人間の嗅覚システムを模倣したニューロモーフィック・チップを開発し、従来のチップよりもはるかに少ない数の訓練サンプルで匂いを正確に判別できることを示した。今後、視覚や触覚をはじめ、より高次の思考プロセスを模倣するニューロモーフィック・チップの設計を計画している。 by Karen Hao2020.03.18

人間の脳ができるあらゆることの中で、匂いの識別をいかに手助けしているかはもっともよく理解されていることの1つだ。匂いが鼻の嗅覚細胞に当たると、嗅球(きゅうきゅう)と呼ばれる、脳内の対応するニューロンの集団に信号が送られる。嗅球は脳の他の部分に信号を送り出し、グレープフルーツの香水を楽しんだり、ゴミの悪臭を避けたりすることを可能にする。

嗅球は哺乳類に特有であるが、昆虫などの他の動物も同様の神経構造を持っている。インテルのニューロモーフィック・コンピューター・ラボのマイク・デイビス所長は、「別々の進化を経て同様の機能に行き着いたということは、匂いを嗅ぐことはおそらくかなり基本的で効率的な実装なのでしょう」と述べている。

嗅覚システムは非常に効率的であり、かつ嗅覚システムについては非常に多くのことが知られている。そのため、嗅覚システムは、脳の構造から直接インスピレーションを得た新しいタイプのコンピューティング・ハードウェアであるニューロモーフィック・チップにはうってつけの出発点となる。

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