KADOKAWA Technology Review
×
本誌の中国担当記者が最近ハマっていること(ショートコラム)
Courtesy of the author
3 Things Caiwei Chen is into right now

本誌の中国担当記者が最近ハマっていること(ショートコラム)

MITテクノロジーレビュー[米国版]の中国担当記者 チェン・ツァイウェイは最近、3つのことに夢中になっている。 by Caiwei Chen2025.05.03

1. オープンAI(OpenAI)に関する新しい舞台作品

私は最近、マシュー・ガスダ(Matthew Gasda)による舞台作品『ドゥーマーズ(Doomers)』を観た。オープンAI(OpenAI)で2023年に失敗に終わったクーデターを描いた作品で、劇中では架空の企業マインドメッシュ(MindMesh)として表現されている。物語はほぼ全編が会議室を舞台にしている。第1幕では、セス社長(サム・アルトマンの代役)の解任直後の幹部たちの様子を追い、第2幕では、彼の運命を決めた取締役会の交渉が再現される。この作品は、シリコンバレーのAIブームと、人工知能(AI)をめぐる世界的な道徳的パニックという時代精神を捉えようとする力強い試みだ。ただし、早口で緊張感のあるやり取りが続くため、時に言葉の渦に迷い込んでしまう。

2. テーマのあるディナーパーティと料理の実験

中華料理の奥深さは容易に分類できるものではない。そのため、選択肢の豊富な都市に住んでいても、私はしばしば自ら料理をする。かつての家の味を再現するだけでなく、これまで存在しなかった新たな「家」を創り出すためでもある。最近、私は中国風シャルキュトリーボード(前菜の盛り合わせ)を試作している。「マントウ(饅頭)」という蒸しパンをトーストしたものと、鋭くピリッとしたうま味たっぷりの発酵豆腐スプレッド「フールー(腐乳) 」を組み合わせたものだ。

3. 自分の服を縫製し、コピーすること

私は3年前に洋裁を始めたが、ここ1年間でゼロからの洋服作りを始めた。ヴィンテージ・ファッション、特に80年代のシルエットを愛する私は、まずエッツィ(Etsy)で見つけた古い型紙から始めた。しかし最近、新しいことに挑戦した。数年前に北京の古着屋で買ったお気に入りのドレスをコピーしたのだ。これは文字通り、リバース・エンジニアリングのプロセスである。服を固定し、その縫い目をなぞり、その構造を解体して再構築するのだ。時には私の脳は、限界に達した古いマック(Mac)のように感じることもある。しかし、うまくいくと、それは小さな魔法のように感じられる。それは確信を養う訓練であり、まさに私をファッションに引き付けたものだ。自分の一部のように感じられるものを身にまとう機会なのだ。

人気の記事ランキング
  1. Inside the tedious effort to tally AI’s energy appetite 動画生成は別次元、思ったより深刻だったAIの電力問題
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
  3. IBM aims to build the world’s first large-scale, error-corrected quantum computer by 2028 IBM、世界初の大規模誤り訂正量子コンピューター 28年実現へ
  4. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
チェン・ツァイウェイ [Caiwei Chen]米国版 中国担当記者
MITテクノロジーレビューの中国担当記者として、グローバルなテクノロジー業界における中国に関するあらゆるトピックを取材。これまで、ワイアード(Wired)、プロトコル(Protocol)、サウスチャイナ・モーニング・ポスト (South China Morning Post)、レスト・オブ・ワールド(Rest of World )などのメディアで、テクノロジー、インターネット、文化に関する記事を執筆してきた。ニューヨークのブルックリンを拠点に活動している。
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る