KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
「ムーアの法則」終焉で
米軍が目指す、半導体の
「クラフトビール」革命
Ms. Tech
カバーストーリー Insider Online限定
DARPA has an ambitious $1.5 billion plan to reinvent electronics

「ムーアの法則」終焉で
米軍が目指す、半導体の
「クラフトビール」革命

ムーアの法則の終焉とともに米国が半導体チップにおける競争力を失ってしまうことを懸念するDARPAは、予算15億ドルの5カ年計画を始めた。半導体産業の復興をかけ、新たなチップ設計・開発手法の発見を目指す。 by Martin Giles2018.08.06

軍事関連の基礎研究に資金を提供する米国国防先端研究計画局(DARPA)は2017年、半導体チップの進歩を支援するために「エレクトロニクス復興イニシアチブ(Electronics Resurgence Initiative:ERI)」と呼ばれる予算15億ドルの5カ年計画を開始した。米国のチップ開発・製造に革命をもたらす可能性のあるアプローチを探索する、初期の研究チームの秘密が明らかになってきた。

ハードウェアのイノベーションに関しては、近年ではソフトウェアの進歩の脇役のようにみなされている。これはいくつかの理由から、米軍にとって悩みの種となっている。

1つの時代の終わり

最優先で対処しなければならない課題は、ムーアの法則が限界に近づいていることだ(「Moore’s Law is dead. Now what?」参照)。ムーアの法則とは、半導体チップ上に集積されるトランジスター数がおよそ2年ごとに2倍になるという経験則である。ムーアの法則が限界を迎えれば、新しいアーキテクチャや設計法によってチップ性能が向上しない限り、米軍が依存している電子工学の進化が止まってしまう恐れがある。

集積回路を設計する際のコストの上昇や、半導体の設計や製造への外国からの投資の増加も心配の種だ。外国からの投資というのは、もちろん「中国からの」ということだ(「AIチップで一発逆転狙う、中国半導体産業の野望」参照)。

ERIの予算は、DARPAがハードウェアに投じる通常年間予算のおよそ4倍にもなる。初期のプロジェクトは、ERIで重点的に取り組む3つの分野を反映している。チップの設計、アーキテクチャ、そして材料とその統合である。

プロジェクトの1つは、新しい …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. This company claims a battery breakthrough. Now they need to prove it. すべてのパラメーターが矛盾——「出来すぎ」全固体電池は本物か?
  2. OpenAI’s “compromise” with the Pentagon is what Anthropic feared アンソロピック排除の裏で進んだオープンAIの軍事契約、その代償は
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る