30秒で「専門医並み」、デープマインドがAI眼病診断装置を試作
アルファベット(グーグル)の人工知能(AI)子会社であるディープマインドは、患者の網膜をスキャンし、眼病の可能性についてリアルタイムで診断する装置を開発した。
網膜をスキャンして得た画像を、ディープマインドが開発したアルゴリズムで解析し、詳しい診断と「緊急性スコア」を返す仕組み。一連のプロセスにかかる時間は30秒ほどで、プロトタイプ装置では糖尿病性網膜症や緑内障、加齢性黄斑変性症など、さまざまな疾患を検知できる。特筆すべき点は、この装置が一流の眼科医にも劣らないほど正確に診断を下せることだとディープマインドは主張している。ロンドンで先週開かれたイベントで、装置の一般向け試験運用が実施された。装置の元となった研究は昨年8月、学術誌ネイチャー・メディシンに掲載された。
ディープマインドのアラン・カルティケサリンガム上級臨床科学者によると、このAIツールは総合診療医向け。専門医による診察が必要か否か、その緊急度や理由を見極めるために利用できるという。
新しい装置は、ロンドンのムアフィールズ眼科病院(Moorfields Eye Hospital )に所属する臨床医らと共同で、3年がかりで開発された。規制当局による承認に向けた申請はまだされておらず、広く使われるようになるには時間がかかるかもしれないと、ディープマインドの広報担当者は述べている。ファイナンシャル・タイムズ紙は、認可が下りれば、装置はまずムアフィールズの医師らに無料提供されるだろうと報じている。
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