数学者、飛込競技の新技「5回ひねり1回転半宙返り」を提案
数学者が考案した新しい飛込技は、近い将来実現するかもしれない。 by Emerging Technology from the arXiv2017.01.06
オリンピックの飛込競技は、運動能力と俊敏性、力と美しさ、正確さを組み合わせたスポーツだ。踏み切りや空中姿勢、入水で評価され、技の難易度による加点が最終スコアになる。したがって完璧な簡単な飛び込みより、少し失敗した高難度の飛び込みの方が点数は高くなりやすい。
そのため、飛込競技は急速に複雑化している。2008年の北京オリンピックでは、前逆飛込の2回転半宙返りと2回転半ひねりを組み合わせた最も複雑な技の難易率は3.8だった。現在の最大難易度は前逆宙返り4回転半のえび型で、難易率は4.8。国際水泳連盟(FINA)はさらに高難度の技が期待されている。
https://www.youtube.com/watch?v=wz4CnT0Un9Y
競技者も技を向上させる方法を常に探っている。ここで「10mの飛込では、一体何回の宙返りとひねりを組み合わせられるのか」という興味深い疑問が沸いてくる。
1月5日、シドニー大学(オーストラリア)のウィリアム・トン研究員とホルガー・デュリン教授の研究により、答えらしきものがわかってきた。2人は、人体が空中で何回ひねったり回転したりできるかを計算する数学モデルを確立したのだ。このモデルを元に、純粋な宙返りの動きを純粋なひねりの動きに転換し、もう一度宙返りに戻すことで、まったく新しい身体動作を提示している。
提示された一連の動作は、これまでにない速さで身体をひねることができる。2人の研究者によれば、この新技により、これまでになかった難易度の飛込が実現できる。
この手法のデモンストレーションとして、1回転半の宙返りに5回のひねりを加えた、これまでにない技が考案された。技の名前は「513XDダイブ」(国際水泳連盟の分類コード)で、近い …
- 人気の記事ランキング
-
- China figured out how to sell EVs. Now it has to deal with their aging batteries. 中国でEV廃車ラッシュ、年間82万トンのバッテリー処理追いつかず
- The great AI hype correction of 2025 GPT-5ローンチ失敗、 企業95%が成果出せず … 転換期を迎えたAIブーム
- 4 technologies that didn’t make our 2026 breakthroughs list 2026年版「世界を変える10大技術」から漏れた候補4つ
- AI might not be coming for lawyers’ jobs anytime soon そして弁護士の仕事は残った 「44%自動化」の誇大宣伝 司法試験クリアも実務遠く