フラッシュ2022年2月4日
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オミクロン株 病原性低く、増殖速度はデルタ株の2倍以上=東大ら
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学などの研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株が、従来株に比べて病原性が低下していることを明らかにした。さらに、数理モデリング解析から、オミクロン株のヒト集団内での増殖速度はデルタ株に比べて2~5倍高いことを明らかにした。
研究チームは、培養細胞を使った感染実験を実施。その結果、オミクロン株は従来株よりも細胞融合活性が低く、新型コロナウイルスに感染した細胞が示す合胞体をほとんど形成しないことが分かった。また、ハムスターを使った感染実験の結果では、従来株やデルタ株に比べ、体重減少や呼吸機能の異常といった症状が顕著に少ないことが分かったという。さらに同チームは、世界各国のウイルスゲノム取得情報を基に、ヒト集団内におけるオミクロン株の増殖率を数理モデリング解析で推定。オミクロン株のヒト集団での増殖速度は、デルタ株に比べて2~5倍高いとしている。
研究成果は、2022年2月1日にネイチャー誌(オンライン版)に掲載された。
(笹田)
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