フラッシュ2022年8月23日
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原始星の周囲に巨大ガス惑星の兆候と影の領域を発見、理研など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]理化学研究所や台湾中央研究院天文及天文物理研究所などの国際共同研究チームは、成長途中の若い星(原始星)を取り巻く、ガスや塵からできている「原始星円盤」を観測し、巨大ガス惑星形成の兆候とその影響による冷たい陰の領域を発見した。
研究チームは、チリのアルマ望遠鏡(ALMA:Atacama Large Millimeter/submillimeter Array、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)と、米国のVLA(Karl G. Jansky Very Large Array、カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群)を用いて、おうし座にある原始星「IRAS04368+2557」を取り巻く原始星円盤を観測。詳細な解析の結果、原始星円盤が、重すぎて自己重力によって分裂し、巨大ガス惑星の元となる塊(原始巨大ガス惑星)を形成していることを見い出した。
さらに、中心の原始星から遠ざかるにつれて温度が徐々に下がっていく様子に加え、原始星から15天文単位(太陽と地球の間の距離を1とする距離の単位。1 天文単位は約1億5000万キロメートル)の距離に塊構造が存在し、それを境に温度が急激に下がっていることが分かった。このことは、塊構造によって原始星からの光が遮られている円盤の外側では日陰の冷たい領域が存在することを示しており、そこで次の惑星形成が進むと、将来作られる惑星の性質に違いを生じる可能性があるという。
近年、太陽系のみならず太陽系外惑星の探査でも、さまざまな大気組成を持つ惑星が見つかっている。今回の研究は、多種多様な環境を持つ系外惑星の起源解明に貢献することが期待される。
研究成果は、科学雑誌、アストロノミカル・ジャーナル(Astronomical Journal)オンライン版に8月3日付けで掲載された。
(中條)
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