フラッシュ2023年7月13日
-
カブトムシにはなぜ角がある?ゲノム解読し公開=基生研など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]基礎生物学研究所(基生研)や金沢大学、モンタナ大学などの国際共同研究チームは、カブトムシの核ゲノムとミトコンドリアゲノムを解読し、データベースとして公開。角形成の遺伝的メカニズムを理解する基盤を確立した。
研究チームは今回、次世代シーケンシング技術を用いてカブトムシのゲノム解読を実施。全長6.15億塩基対(ヒトゲノムの約5分の1)と、タンパク質をコードしている遺伝子2万3987個を見い出した(ヒトは約2.2万個)。それらの結果から、カブトムシの性分化遺伝子である「doublesex(ダブルセックス:dsx)は雌雄で異なる転写産物を複数生成するが、その中で角形成に寄与するdsxの転写産物は雌雄間で529塩基対の違いを有しており、このわずかな構造の違いが角の有無を決定する一因であることなどが明らかとなった。
オスのカブトムシの特徴である角は進化過程で新たに獲得した形質(進化的新奇形質)であり、その獲得メカニズムの解明は、生物の多様性創出の理解につながるとして学術的な観点から重要とされている。だが、カブトムシの角がどのように獲得されたのかは、いまだ明らかになっておらず、詳細なゲノム情報は、角獲得の解明に対する鍵となると期待されている。
研究論文は科学学術誌サイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)に2023年5月30日付けで掲載された。
(中條)
-
- 人気の記事ランキング
-
- Stratospheric internet could finally start taking off this year グーグルもメタも失敗した 「成層圏ネット」再挑戦、 2026年に日本で実証実験
- Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
- The first human test of a rejuvenation method will begin “shortly” ハーバード大教授主導の 「若返り治療」初の試験へ、 イーロン・マスクも関心
- Microbes could extract the metal needed for cleantech 微生物で「老朽鉱山」再生、バイオマイニングは金属需要に間に合うか
- What’s next for EV batteries in 2026 米国後退、加速する中国支配 EVバッテリー市場、 2026年はどう動く?
