フラッシュ2023年9月20日
-
ヒトゲノムの暗黒領域を解読、疾患関連の候補領域を観察=東大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学の研究チームは、ヒトゲノムの中で解読が困難な領域(「暗黒領域」と呼ばれる)である、縦列反復配列の組成を明らかにすることに成功した。縦列反復配列とは、リピート単位が隣り合って縦列式に重複している繰り返し配列であり、個人差が大きく、約60カ所の領域は疾患との関連性が報告されている。
研究チームは今回、日本人健常者270人の集団データを解析し、暗黒領域の約200万カ所の縦列反復配列について、その組成を分析した。その結果、分析したうち約32万2000カ所の領域の個人差は大きく、周辺の領域に比べると、多様性が大きいことが判明。繰り返し単位が1種類の単一型よりは、複数の単位が混在する複合型が多く存在し、複合型は単一型に比べ塩基の変化が大きく、長さは短い傾向にあることがわかった。さらに、約8900個の領域では、疾患に関連する領域の候補と考えられる、伸長が顕著な個人ゲノムが観察された。
研究チームによると、このように多様性の大きな領域は、疾患に関連する可能性があり、今後の疾患研究の基礎的情報として重要になるという。研究論文は、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に2023年9月14日付けで掲載された。
(中條)
-
- 人気の記事ランキング
-
- How much hydrogen awaits us underground? 地下に眠る数兆トン、天然水素は本当に「宝の山」なのか
- Promotion AI White Paper 2026 松尾・岩澤研協力『AI白書2026』発売、サブスク版も開始
- The next big thing in hydrogen could be underground 足元に眠る天然水素、21世紀の「ゴールドラッシュ」が始まった?
- This scientist is helping build a missing map of childhood 子どもは「小さな大人」ではない、欠けていた細胞地図を築く研究者
- The role of the astronaut is in flux 人類はなぜ宇宙を目指すのか? 揺らぐ宇宙飛行士の役割
