フラッシュ2024年2月28日
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気候変動/エネルギー
濃厚電解液の電極電位を記述する新理論、定量評価を可能に
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学の研究チームは、液体中のリチウムイオンが感じる「静電的な居心地の良さ」を理論的に計算し、濃厚電解液における電極-イオン間の電子授受のしやすさ(電極電位)の定量評価を可能にした。蓄電池の正極・負極における電極電位と、電解液の関係が数値的に可視化されたことで、電池材料の全体最適化による二次電池の高性能化への貢献が期待される。
研究チームは今回、固体科学の概念を液体である電解液に展開し、数値シミュレーションにより、リチウムイオンと周辺化学種(溶媒や陰イオン)とのクーロン相互作用を計算。電解液中でリチウムイオンの感じる静電的な居心地の良さ(液相マーデルングポテンシャル)を求めた。
その結果、従来の古典的理論では扱えなかった濃厚電解液における電極電位の定量評価に成功。電極電位を記述する電気化学理論モデルを新たに提唱した。同チームによると、濃厚電解液における電極電位の定量評価は、電気化学における100年来の未解決問題であったという。さらに、電解液に依存する電極電位シフトの物理的起源が、電解液中のリチウムイオンの液相マーデルングポテンシャルのシフトに起因することを解明した。
研究論文は、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)電子版に2024年2月19日付けで掲載された。
(中條)
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