KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
米国後退、加速する中国支配
EVバッテリー市場、
2026年はどう動く?
Kevin Frayer/Getty Images
気候変動/エネルギー Insider Online限定
What’s next for EV batteries in 2026

米国後退、加速する中国支配
EVバッテリー市場、
2026年はどう動く?

2025年に製造されたEVの3台に1台以上がCATL製バッテリーを搭載し、中国は世界のバッテリー市場を支配している。一方、米国は2026年にEV税控除が終了し、販売の鈍化が予測される。ナトリウムイオン電池の商用化や全固体電池の実用化が近づく中、地政学的分断は次世代技術の普及にどう影響するのか。 by Casey Crownhart2026.02.04

この記事の3つのポイント
  1. 2025年にEVが世界新車販売の4分の1以上を占め、ナトリウムイオン電池の商用化も本格化
  2. リチウム価格上昇でナトリウム電池の競争力が向上し、全固体電池は2027年頃の実用化を目指す
  3. 中国がバッテリー産業を支配する中、米国は政策変更で成長鈍化、新興国市場が急拡大
summarized by Claude 3

電気自動車(EV)とそれを駆動するバッテリーへの需要は、かつてないほど高まっている。

2025年には、EVが世界の新車販売の4分の1以上を占めた。これは2020年の5%未満から大幅に増加した数値である。地域によってはさらに高い普及率を示している。中国では昨年、新車販売の50%以上がバッテリー式電気自動車(BEV)またはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)だった。欧州では12月に、純粋な電気自動車の台数がガソリン車を上回った(米国は例外で、2024年から販売がわずかに減少し、世界平均を下押ししている)。

EVが一般化するにつれて、バッテリー業界も急成長している。今後は、より低コストで高性能な新しい化学組成のバッテリーが広く採用される可能性がある。一方で、バッテリーを巡る地政学や政策環境も変化している。ここでは、2026年以降に予測されるEVバッテリーの動向を紹介する。

ナトリウムイオン電池の大きな機会

リチウムイオン電池は、現在EVや個人用デバイス、さらには送電網向けの定置型蓄電システムにおいて標準的に使用されている。しかし、米国のように市場環境が厳しい地域では、より安価な代替品への関心が高まっている。現在、自動車メーカーはバッテリーの性能向上よりもコストを最優先に考えていると、エネルギー貯蔵技術に特化したベンチャーキャピタル企業、ボルタ・エナジー・テクノロジーズ(Volta Energy Technologies)の技術責任者であるカラ・ロドビーは述べている。

ナトリウムイオン電池は、長年にわたりリチウムに代わる低コストな選択肢として注目されてきた。エネルギー密度が低いため航続距離は短くなるが、ナトリウムは地球上に豊富に存在するため、コスト面で有利となる可能性がある。

しかし、リチウムイオン電池の成功そのものが、ナトリウム技術の成長を妨げてきたと、シカゴ大学のシャーリー・メン教授(分子工学)は指摘する。リチウムイオン電池のセル価格は2013年には1キロワット時あたり568ドルだったが、2025年にはわずか74ドルまで下がった。これは、安価な代替技術にとって非常に高いハードルである。

現在、ナトリウムイオン電池の平均コストは1キロワット時あたり約59ドルであり、平均的なリチウムイオン電池よりも安い。しかし、低価格帯のリチウムイオン電池であるリン酸鉄リチウム(LFP)電池の平均コストは52ドルであり、それと比較するとナトリウムは依然として高価である。

とはいえ、ナトリウム電池の商機は近づきつつある。ここ数か月、リチウム価格が上昇傾向にあり、これがリチウム系電池の価格の長期的な下降トレンドを減速、あるいは反転させる可能性がある。

ナトリウムイオン電池はす …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る