KADOKAWA Technology Review
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AIの「読心術」ツールが脳スキャンから見ているものを再構成する
Courtesy of the Researchers
生物工学/医療 Insider Online限定
An AI “mind-reading” tool can reconstruct what you’re looking at from a brain scan

AIの「読心術」ツールが脳スキャンから見ているものを再構成する

スキャンを解析するだけで、被験者が見ている画像を驚くほど精密に再現するAIツールが登場した。研究チームは、閉じ込め症候群の患者の意思疎通や夢の再現にも役立つと期待する。一方で専門家からは、EEG(脳波)への応用が進めば、本人の同意なしに頭の中のイメージを引き出す手段になりかねないとの警告も上がっている。 by Jessica Hamzelou2026.10.02

この記事の3つのポイント
  1. イスラエルのワイツマン科学研究所が脳スキャンから見ている画像を高精度に再現するAIツールを開発
  2. 構造と内容を予測する2分岐デコーダーとエンコーダーを組み合わせ訓練データ不足を解消し精度向上
  3. 医療応用への期待の一方、思考を無断で読み取る精神的プライバシー侵害の懸念も指摘されている
summarized by Claude 3

新たな人工知能(AI)ツールが、脳スキャンを解析するだけで被験者が見ているものを推測し、その画像を驚くほど精密に再現できる。さらに逆方向、つまり被験者が見ているものから脳活動を予測することも可能だ。

例えば上の画像は、各ペアの左側が被験者が実際に見た画像で、右側が脳スキャンからモデルが再構成した対応する画像だ。

イスラエルのレホボトにあるワイツマン科学研究所の研究チームを主導したミハル・イラニは、この「読心術」ツールが最終的に脳の仕組みについてさらに多くのことを明らかにし、閉じ込め症候群の患者のコミュニケーションを支援したり、科学者が夢の内容を再現したりするのに役立つかもしれないと期待している。

この研究には関与していない、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の神経倫理学者で神経学教授のジュディ・イレスは、この研究を「すばらしい」と評する。「このアプローチを使って神経疾患を抱える人々を治療面で支援するというアイデアは、非常にわくわくします」と言う。

しかし他の科学者たちは、同様の手法が本人の同意なしに、人々の内なる思考や心に思い描いているイメージを暴き出すために使われかねないと警告する。「結果は非常に印象的に見えます」と話すのは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の神経科学者であるトミー・スプラーグ准教授だ。「しかし、もし考えていることについての情報をひそかに引き出す方法があるのだとすれば、150年にわたって描かれてきたSFの世界がいつ現実になってもおかしくありません。それは多くの点で懸念すべきことです」。

脳をのぞき見る

神経科学者たちは長年にわたり、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って、人々が何を見ているか、また頭の中で何が起きているかを再構成する方法に取り組んできた。初期の試みで得られた画像はぼやけていて、何が写っているのか判別しにくかった。fMRIスキャンそのものと、その結果を解析するツールの両方が進歩したことで、長期にわたって改善が重ねられてきた。

イラニらの研究チームは、一般公開されている脳スキャンデータの解析から着手した。他の研究者たちはすでに、fMRIスキャナーの中に横たわりながら数百枚の画像を見せられたボランティアからスキャンデータを収集していた。

fMRIは巨大な磁石を使って、脳内を流れる酸素化された血液の変化を追跡する。スキャン上で「光る」脳領域は、その時点で特に活発に働いている領域だと考えられている。ただし、その結果はそれほど細かいものではない。一般的なfMRIスキャナーでは、活動を示す1つの「ボクセル」が約3立方ミリメートルの領域を占め、約1万6000個のニューロンを含んでいる。

イラニらは、より高解像度のスキャナーで収集された新しいデータセットを使用した。イラニによれば、各ボクセルがカバーする体積は約1立方ミリメートルだった。これらのデータセットには、ボランティアがさまざまな画像を見ているときの脳活動が記録されていた。

他の研究チームも同様の取り組みをしており、脳スキャンデータから画像を再構成するためにいくつかの他のツールが使われてきた。しかし、それらは十分な出来ではない、とイラニは言う。例えば人がバナナを見たとする。こうしたモデルはバナナの画像を生成できるが、実際に見たものとは異なる画像になってしまうという。「同じ構造、 …

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