まるでAppStore、ゲノム活用の新ビジネスモデルが登場
一度80ドルでDNA解析すれば、その後は様々なアプリで遺伝情報を活用できる——。米ヘリックスが開始した新サービスは、従来の「一回限り」遺伝子検査を覆すビジネスモデルだ。祖先解析から健康リスク、睡眠パターンまで数十種類のアプリが利用可能だが、専門家は科学的根拠の乏しい検査への懸念も示している。 by Emily Mullin2017.08.22
シリコンバレーのスタートアップ企業ヘリックス(Helix)は、人々がDNAについてもっと知りたいと思っているだけでなく、その情報と継続的に関わるためにお金を払うと考えている。
ゲノミクス大手イルミナ(Illumina)から1億ドルの出資を受けて2015年に設立されたヘリックスは、2017年7月24日、遺伝情報をデジタルで探索できる待望のオンライン・ハブを立ち上げた。ユーザーはコンピューターやモバイル端末上でさまざまなアプリをダウンロードし、ゲノムにアクセスできる。まるでゲノムのためのAppStore(アップストア)のようなものだ。
個人の遺伝情報は、今や手頃な価格で入手できる商品となった。DNA検査キットを200ドル以下で販売している23アンドミー(23andMe)やアンセストリーDNA(AncestryDNA)などの先駆的企業の成功により、消費者向けに直接DNA検査を提供する新たな企業が続々と登場しており、祖先のルーツからDNAに基づくワインの好みまで、さまざまなことがわかるようになっている。
これまでの遺伝子検査キットの多くは一度きりの利用が前提で、唾液をチューブに入れて研究所へ送り、数週間後に遺伝子構成に関する詳細なレポートを受け取るという形式だった。ヘリックスのロビン・サーストン最高経営責任者(CEO)は、遺伝情報の内容は膨大かつ複雑で、多くの人は繰り返しそのデータにアクセスしようとはしないと指摘している。
ヘリックスでは、自分のゲノムについて知りたい情報をユーザーが選ぶことができる。初期費用の80ドルで、ゲノムのうち最も重要な2万個の遺伝子とその他の一部の領域をシーケンスし、その情報はデジタル化されてヘリックスに保存される。この情報の一部は、ヘリックスのプラットフォームを通じてアプリを販売している企業に提供される。「私たちの目標は …
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