ロボット外科医の台頭、研修医のスキル不足を招く
最新の研究によると、ロボット手術による省力化で、若手医師が手術技能を習得するのが難しくなっているという。
外科用ロボットは、米国の病院の3分の1以上で使用されている。この10年で、ロボットはますます多様な手術に使われるようになった。まさに、ロボット外科医の台頭である。
ロボットの存在は、手術室で必要とされる人間の労力が減ることを意味している。1月9日、アドミニストレイティブ・サイエンス・クォータリ(Administrative Science Quarterly)誌に掲載された論文によると、ロボットは研修医(Resident)から訓練の機会を奪っているという。研修医は文字通り、ベテラン医師の手足となって働いてきた。だが現在ではそうではない。以前の研修医がこなしていた仕事を、今ではロボットが担っているからだ。
この研究では、ベテラン医師が訓練中の研修医から手術を引き継ぐことがたびたびあることも分かっている。結局、技能習得のための経験は十分に積めなかったことになり、研修期間が終わっても、ロボットを使った手術を一人でこなすことはできないということだ。
5Gから6Gへ、通信の世界的研究者・太田 香教授「U35」へのメッセージ
世界の工学者を魅了し続ける
eムック『生殖医療と倫理 変容する「生命の始まり」』特集号
壁を突破する「覚悟」——再生医療産業を開拓、畠 賢一郎氏に聞く
書評:サム・アルトマンはいかにして「AI帝国」を築いたか