DNAダイエットは効果なし? 800万ドルかけた研究で判明
自分の遺伝子に合った食品を選ぶことで、より効果的に体重を減らそうとする試みは無駄な努力かもしれない--というのが、800万ドルの費用をかけた研究の成果である。
その研究では609人の被験者に低脂肪、または低炭水化物ダイエットを割り当てた。食品を食べる際、両ダイエット手法が、体重を減らすために各人に想定された遺伝的な体質と「合う」か「合わない」かを分析したのだ。その結果、遺伝的に「正しい」ダイエットをした被験者の体重の方がそうでない被験者よりも、より多く減少したという証拠は全く得られなかった。
今回の研究をしたチームは、2010年に小規模な研究を実施して、遺伝子に基づく「DNAダイエット」は通常のダイエットよりも効果的だと提唱していた。しかし、今回の大規模で力を入れた研究の結果は、過去の研究が誤っていた可能性を示唆している。「単刀直入に言って、前回の研究を再現できませんでした。結果は遠く及ばず、DNAダイエットはうまくいきませんでした」と、論文の共同執筆者であるクリストファー・ガードナー博士はスタット(Stat)に語った。
消費者向けDNA鑑定が話題となっており、一部の企業は遺伝子の中に潜んでいるものに基づいて、健康、フィットネス、栄養摂取についての洞察を提供している。今回の新たな研究は、体重を減らそうと考えているのであれば、いくつかの遺伝学的洞察はそれほど有用ではないかもしれないことを示唆している。
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