試験放送から無線信号を解読、緊急警報システムに乗っ取りのリスク
あるセキュリティ研究者が、サンフランシスコ市の警報システムを使って、どのようなメッセージでも流せることを明らかにした。
セキュリティ企業バスティーユ(Bastille)出身のバリント・シーバーは、週に1回実施されるサンフランシスコ市の緊急警報システムの試験放送を起動する無線信号を、2年かけて解読した。ワイアードによると、システムを制御する方法を見つけたシーバーは、その気になれば、街中に再生したい音声を放送できるという。
たとえば、緊急警報システムが核攻撃が起きたと誤報したことによる混乱を想像してほしい(残念ながら、それほど大げさな話でもない)。ハッキングはノートパソコンと35ドル程度の無線機器があれば実行できる。シーバーによると、ATIシステムズという企業の警報システムを導入している2つの都市(それ以上の可能性もある)にも同様の弱点があるという。
このような攻撃が可能なのは、ATIの警報システムを制御している信号は複雑なものの、暗号化されていないからだ。そのおかげで、シーバーは信号を解読できた。 以前から指摘しているように、 都市環境をコンピューター化するシステムの開発において、サイバー・セキュリティの重要性は軽視されがちだ。その結果、このような攻撃ができてしまうのである。
								5Gから6Gへ、通信の世界的研究者・太田 香教授「U35」へのメッセージ
							
								世界の工学者を魅了し続ける
								eムック『生殖医療と倫理 変容する「生命の始まり」』特集号
							
								壁を突破する「覚悟」——再生医療産業を開拓、畠 賢一郎氏に聞く
							
								書評:サム・アルトマンはいかにして「AI帝国」を築いたか