フラッシュ2022年2月7日
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オミクロン株、ワクチン2回接種では感染防ぎにくい=東大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学などの研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株が、デルタ株に比べて、治療用抗体製剤やワクチンの2回接種で誘導された中和抗体に抵抗性があることを明らかにした。一方で、3回目のワクチン接種や抗ウイルス薬がオミクロン株に対して有効であることも分かった。
研究チームは、デルタ株とオミクロン株を対象に、mRNAワクチン接種後に誘導される中和抗体への感受性を調査した。その結果、2回目のワクチン接種後6カ月を経過した血清がデルタ株の感染を阻害できる一方で、オミクロン株の感染は阻害できなかった。3回目のワクチン接種後の血清はオミクロン株の感染も阻害できることが分かった。
このほか、オミクロン株の細胞への侵入経路の変化も確認した。新型コロナウイルスの細胞への侵入経路には、TMPRSS2依存性経路とカテプシン依存性経路が存在するが、オミクロン株はデルタ株に比べてカテプシン依存性経路から細胞に侵入することが多いという。研究成果は2月1日付けのネイチャー誌(オンライン版)に掲載された。
(笹田)
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