フラッシュ2022年2月10日
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ロボットとAIを組み合わせて燃料電池の材料開発を効率化=東大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学などの研究チームは、燃料電池などのものづくりの核になる粉体膜乾燥プロセスを、人工知能(AI)とロボットを組み合わせることで、より少ない試行回数で最適化する手法を開発し、実証実験で新しい加熱方法を発見した。ロボットとAIを粉体膜乾燥プロセスに適用し、実証したのは世界で初めてである。
粉体成膜は、粉を液体に混ぜたインクを「加熱して、乾かす」という身近な方法だ。しかし、加熱温度や加熱時間などの膨大なパラメーターがあり、その中から最適な条件を探索するのはこれまで人の勘・コツ・経験に頼っていた。本研究では、粉体成膜のうち粉体膜乾燥プロセスに着目し、ロボットと機械学習を組み合わせることで、ひび割れを最小とする加熱温度パターンを、約3万通りの候補からわずか40回の試行で発見することに成功した。さらに、「2段階加熱」という斬新な加熱方法も見い出した。
本成果は、2022年2月8日(英国標準時)に英国のサイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)誌にオンライン掲載された。新材料探索のプロセスをAIとロボットで再構築する試みは世界中の化学者の間で進められており、今回の成果は燃料電池や蓄電池における粉体成膜プロセス開発の競争力強化につながるものとして期待される。
(中條)
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