フラッシュ2022年7月11日
新型コロナワクチン、血液透析患者の抗体価低く=横市大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]横浜市立大学の研究チームは、日本人の血液透析患者が新型コロナウイルスワクチンを接種した後の抗体価の変化を調査した。比較として、健康な医療スタッフのデータも収集した。慢性腎臓病が進行している患者は、B型肝炎ワクチンや季節性インフルエンザ・ワクチンを接種しても、抗体を得にくいことが分かっている。新型コロナウイルス・ワクチンについては不明だった。
調査の結果、血液透析患者・健康な医療スタッフともに、抗体価のピークは接種後1カ月であり、血液透析患者の抗体値は健常者と比較してピーク時で3分の1程度にとどまった。6カ月後のデータを比較しても、血液透析患者の抗体価は有意に低かった。一方で、抗体価の減衰速度は両群の間に有意差はなかった。
また、血液透析患者の中でも、血清アルブミン値やヘモグロビン値が高い患者、ビタミンDの補充を受けている患者、年齢が若い患者は、抗体価のピーク値が高くなった。
研究成果は6月25日、クリニカル・アンド・エクスペリメンタル・ネフロロジー(Clinical and Experimental Nephrology)誌にオンライン掲載された。
(笹田)
- 人気の記事ランキング
- Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
- This US startup makes a crucial chip material and is taking on a Japanese giant 知られざる半導体材料の巨人 「味の素」の牙城を狙う 米スタートアップの勝算
- How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
- Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット