フラッシュ2022年7月28日
3Dアクションゲームで認知機能を測定、京大とソフトベンチャー
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]京都大学と医療ソフト開発企業「BonBon」の研究グループは、3Dアクションゲームを使って認知機能を多面的に計測する手法を実証した。ビデオゲームで認知機能を測定する試みでは従来、エンターテインメント性の低い単純なものが多く、複数の認知機能を計測することは難しかった。
今回の研究では、BonBonが認知機能計測用に開発中の3Dアクションゲーム「Potion(ポーション)」を使用。被験者には、比較対象としてペンシルベニア大学が運営する電子版認知機能検査サービス「WebCNP」も受験してもらい、ゲーム内の特定のスコアと認知機能検査のスコアの連動を分析したところ、ゲームで敵に見つからずに行動する行為や、敵を攻撃する行為などを示すスコアが、認知機能検査で計測した記憶精度や抽象思考力などのスコアと相関していたという。実験には京都近辺に在住の20代から70代までの158人が参加した。
研究成果は7月21日、サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)誌にオンライン掲載された。研究チームは、検査が難しい子どもの認知機能の数値化や長期の取り組みが必要な認知機能のモニタリングなどの発展につながる可能性があるとしている。
(笹田)
- 人気の記事ランキング
- This US startup makes a crucial chip material and is taking on a Japanese giant 知られざる半導体材料の巨人 「味の素」の牙城を狙う 米スタートアップの勝算
- Promotion MITTR Emerging Technology Nite #28 「自動運転2.0 生成AIで実現する次世代自律車両」開催のご案内
- How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
- 10 Breakthrough Technologies 2024 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版
- The race to fix space-weather forecasting before next big solar storm hits スターリンク事故で露呈した 宇宙ビジネスの重大リスク、 「太陽嵐」の脅威に備える