フラッシュ2022年8月30日
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九大など、生体肝移植移植片の質を評価するバイオマーカーを発見
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]九州大学と医薬基盤・健康・栄養研究所の研究グループは生体肝移植で使用する移植片の質を評価する新たなバイオマーカーを発見した。これまで生体肝移植においては、移植片の質をドナーの年齢と移植片の大きさで評価していたが、年齢が高くても移植に成功する場合もあるため、新たなバイオマーカーの発見が望まれていた。
研究グループはまず、老化によって肝臓に起こっている変化を調べるために、複数のカニクイザルの肝組織を使って遺伝子の変化を調べた。その結果、若年のカニクイザルでは、どれを見ても遺伝子発現が非常に類似していたが、老年のカニクイザルの肝組織では、個体によって遺伝子の発現が多様化していることが分かった。
続いて、ヒトドナー肝組織を使って6種類の遺伝子の発現を調べた。その結果、肝組織で「LRRN2」の発現が上昇しているドナーでは、移植の成功率が低くなっていることを突き止めた。
研究成果は7月28日、「ヘパトロジー・コミュニケーション(Hepatology Communication)」誌に掲載された。
(笹田)
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