フラッシュ2022年8月30日
-
九大など、生体肝移植移植片の質を評価するバイオマーカーを発見
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]九州大学と医薬基盤・健康・栄養研究所の研究グループは生体肝移植で使用する移植片の質を評価する新たなバイオマーカーを発見した。これまで生体肝移植においては、移植片の質をドナーの年齢と移植片の大きさで評価していたが、年齢が高くても移植に成功する場合もあるため、新たなバイオマーカーの発見が望まれていた。
研究グループはまず、老化によって肝臓に起こっている変化を調べるために、複数のカニクイザルの肝組織を使って遺伝子の変化を調べた。その結果、若年のカニクイザルでは、どれを見ても遺伝子発現が非常に類似していたが、老年のカニクイザルの肝組織では、個体によって遺伝子の発現が多様化していることが分かった。
続いて、ヒトドナー肝組織を使って6種類の遺伝子の発現を調べた。その結果、肝組織で「LRRN2」の発現が上昇しているドナーでは、移植の成功率が低くなっていることを突き止めた。
研究成果は7月28日、「ヘパトロジー・コミュニケーション(Hepatology Communication)」誌に掲載された。
(笹田)
-
- 人気の記事ランキング
-
- Inside the tedious effort to tally AI’s energy appetite 動画生成は別次元、思ったより深刻だったAIの電力問題
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
- When AIs bargain, a less advanced agent could cost you 大規模モデルはやっぱり強かった——AIエージェント、交渉結果に差
- IBM aims to build the world’s first large-scale, error-corrected quantum computer by 2028 IBM、世界初の大規模誤り訂正量子コンピューター 28年実現へ
- These new batteries are finding a niche ナトリウム電池、ニッチ分野で存在感 スクーター、送電網などで