フラッシュ2022年11月14日
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東大など、尿検査だけで腎機能低下を検出する検査法を開発
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学と公益財団法人がん研究会の研究グループは、尿検査だけで腎機能低下を検出する検査法を開発した。従来の尿検査では、慢性腎臓病など検出が困難な疾患が存在する。血液検査で腎機能を評価する方法もあるが、腎組織の早期の変化を捉えにくい問題があった。
研究グループは、腎臓組織自体の変化を反映すると考えられる尿中細胞外小胞(urinary Extracellular Vesicles: uEVs)に着目。小児の慢性腎臓病患者と、健常児それぞれのuEVsを比較し、腎機能が低下した患者ではuEVsの大きさが変化することを発見した。さらに、先天的に腎臓のネフロン数が減少している低形成腎の患者で、uEVsタンパク質の発現パターンに特徴的な変化があることも発見した。
この発現パターンの変化を利用したところ、腎疾患の患者で腎機能低下を起こしている症例を検出することに成功。uEVsの特徴を解析することで、尿だけを使って、腎機能低下を検出できることが分かった。
さらに、uEVsの中の特徴的な変化の中でも、複数の分子の発現量を簡易的に測定するシステムを構築。このシステムで検査したところ、小児の腎機能低下の診断に有用であることが分かった。
研究成果は11月9日、アイサイエンス(iScience)誌にオンライン掲載された。
(笹田)
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