フラッシュ2022年12月2日
神戸大など、認知機能に関する3つの質問で要介護リスクを推定
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]神戸大学、神戸医療産業都市推進機構、神戸学院大学、LHS研究所、WHO健康開発総合研究センターの研究グループは、70歳代の被験者に対して、認知機能に関連する3つの質問をすることで、その後被験者が要介護認定を受けるかどうかを推定できることを明らかにした。
研究グループは2015年に、要介護認定を受けていない神戸市在住の70歳以上の高齢者7万7877人を対象に郵送で実施したアンケートを使用した。アンケートの質問への回答結果と2015年から2019年にかけての要介護認定データを突き合わせ、要介護認定との関連を調べた。
アンケートには、認知機能に関連する3項目の質問「周りの人からいつも同じことを聞く等の物忘れがあると言われますか」(好ましい回答:いいえ)、「自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか」(好ましい回答:はい)、「今日が何月何日かわからないときがありますか」(好ましい回答:いいえ)を含め、この質問に対する回答に注目した。
7万7877人に送付したアンケートは、5万154人から回答を得た。4年後の要介護認定率を見ると、アンケートに回答しなかった人の方が回答した人よりも高くなっており、回答者のうち3つの質問に対する好ましくない回答が多いほど、要介護認定率が高くなったという。好ましくない回答の数が0の場合は要介護認定率は5.0%で、好ましくない回答が1つの場合は8.4%、2つの場合は15.7%、3つの場合は30.2%となった。
研究成果は11月29日、ヘルス・リサーチ・ポリシー・アンド・システムズ(Health Research Policy and Systems)誌に掲載された。
(笹田)
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