フラッシュ2022年12月9日
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JAXA、ペールブルーなど新興企業との共創PJを相次ぎ始動
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]宇宙航空研究開発機構(JAXA)が宇宙関連の新興企業2社との共創型研究開発プログラムを相次いで発表した。一つは12月6日に発表した、「新たなタンク開発による超小型電気推進機事業」に関するペールブルー(Pale Blue)との共創活動、もう一つは12月7日に発表した、「衛星への燃料補給サービス」に関するアストロスケールとの共創活動である。
ペールブルーは、JAXAが「はやぶさ・はやぶさ2」の開発・運用で獲得したマイクロ波カソード技術(マイクロ波放電によりプラズマを生成し電子ビームを出す技術)を活用し、衛星コンステレーションなどで市場拡大が期待される300ワット級電気推進機を開発し、事業化を目指す。JAXAは、電気推進技術の情報を提供し、支援するとともに、特許出願中のMOF(Metal-Organic Frameworks、金属有機構造体)の技術を用いて、新たな低圧タンクの開発を進める。
一方、アストロスケールは、デブリ除去技術実証衛星「ELSA-d(エルサディー、End-of-Life Services by Astroscale - demonstration)」ミッションでの実証成果を補給対象衛星へのランデブーや近傍運用に応用するほか、宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術を燃料補給作業へ適用。「衛星への燃料補給サービス」の事業性や海外拠点との国際連携を見据えた検討を実施する。JAXAは軌道上での燃料補給システムや補給技術を評価するための地上試験装置の技術的実現性を検討し、将来研究に活用すると共に、それらを通じた技術的知見や技術アドバイスを提供する。
上記2つのプロジェクトはいずれも、JAXAと民間事業者などとの間でパートナーシップを結び、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す研究開発プログラム「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の枠組みのもとで実施する。J-SPARCは2018年5月に運用を開始し、これまでに約40のプロジェクト・活動を進め、民間事業者によるVR、食、教育、エンタメ、通信事業の事業化(商品化・サービスイン)を実現した。
(中條)
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