フラッシュ2023年1月17日
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ディープフェイク映像を見抜く深層学習モデル、国内初の実用化
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]国立情報学研究所(NII)の研究チームが開発した、人工知能(AI)が生成したディープフェイク顔映像の真偽を自動判定するプログラム「シンセティック・ビジョン(SYNTHETIQ VISION: Synthetic video detector)」をサイバーエージェントが採用。タレントなど著名人のディープフェイク映像検知で実用化することを明らかにした。映像中の人物の顔を他人の顔に置き換えたディープフェイク映像による偽情報の流布が、現在社会問題になっており、そのための対策である。
シンセティック・ビジョンは、大量のデータで訓練した深層学習モデルを利用してディープフェイク映像の真贋を判定し、人間による分析を一切必要としない。さまざまな画質の映像で訓練しているため、圧縮やダウン・コンバージョンなどのメディア処理で画質が低下した映像でも一定の信頼度で判定できるという。
サイバーエージェントは今回、タレントやアーティストなどの著名人のデジタルツインをキャスティングするサービス「デジタルツインレーベル」において、シンセティック・ビジョンを導入する。AIにより生成されたフェイク顔映像を真偽自動判定する技術が、実サービスに導入されるのは国内で初めてだという。
(中條)
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