フラッシュ2023年1月30日
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生物工学/医療
非アルコール性脂肪肝炎の治療用アプリ、臨床試験で効果を確認
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学、大阪大学、東京医科大学、国立国際医療研究センター、JR東京総合病院、大阪府済生会吹田病院、都立駒込病院の研究グループは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH:non-alcoholic steatohepatitis)に対する治療用スマホアプリの効果を調べる多施設臨床試験を実施し、その効果を明らかにした。NASH治療に向けたアプリの効果を検証する臨床試験は世界初となる。肥満から発症するNASHは患者数が増加傾向にあるが、現状では確立された治療法は存在せず、減量に向けた栄養指導や運動を推奨するといった方法で患者の減量を期待するしかない。
研究グループは、NASH治療用アプリをソフト開発企業のCureAppと共同で開発し、臨床試験を実施した。この治療用アプリは、一人一人の患者に合わせた治療法を提示し、患者の病気に対する認知や行動の改善を図ることで、減量を達成することを目指したものだ。
臨床試験では、NASH患者19人に治療用アプリを48週間使用してもらった。その結果、平均で8.3%の減量に成功し、試験開始時に比べて病理学的スコアが有意に改善していた。病理学的スコアは、過去の研究での経過観察群のデータから設定した比較対照群と比べても有意な改善を見せていたという。
研究成果は1月20日、アメリカン・ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー(American Journal of Gastroenterology)誌にオンライン掲載された。今後は、NASH治療用アプリの薬事承認を目指して、第三相試験の実施を検討しているという。
(笹田)
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