フラッシュ2023年3月13日
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XBB.1.5株に対する治療薬・ワクチンの効果は限定的
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学医科学研究所の研究チームは、新型コロナウイルス(SAR CoV-2)の最新の変異株XBB.1.5に対する、治療薬とmRNAワクチンの有効性を検証した。
まず国内で使用可能な4種類の抗体薬について、XBB.1.5株への感染を中和する活性を調べたところ、いずれも著しく低かった。一方、レムデシビルなど4種の抗ウイルス薬は、従来株と同程度にXBB.1.5の増殖を抑制する効果があった。
次にmRNAワクチンの効果を確かめた。4回接種した人の血漿中の中和活性は、従来株やBA.2株に比べてXBB.1.5に対して顕著に低下していた。5回目に新しいオミクロン対応ワクチンを追加接種した場合も、XBB.1.5への中和活性は低いものの一定の効果が認められた。さらにBA.2株に感染した後にワクチン接種した人の血漿でも、XBB.1.5に対する中和活性は従来株より低下していた。
今回の研究成果は英国医学誌「ランセット・インフェクシャス・ディジーズ(Lancet Infectious Diseases=感染症)」のオンライン版に2023年2月8日付けで掲載された。国内で承認されている抗体薬やオミクロン対応ワクチンの有効性は限られており、XBB.1.5への対策強化が求められる。
(中條)
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