フラッシュ2023年3月14日
-
名大、厚さ0.9nmのアモルファス・シリカの合成に成功
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]名古屋大学の研究チームは、厚さ0.9ナノメートルのアモルファス・シリカ・ナノシートの合成に成功した。アモルファス・シリカ・ナノシートは、機械的特性に優れ、広いバンドギャップを持つことから、次世代の電子部品やエネルギー分野での応用が期待されている。絶縁膜やフィラー、プロトン伝導体としてさまざまな分野で利用されている素材であることから、今回の成果によって新たな活用が考えられるという。
これまでも、極薄のアモルファス・シリカ・ナノシートを合成する研究はあったが、アモルファス・シリカが非層状物質であるため、層状化合物を剥離していくという一般的な手法では合成できなかった。界面活性剤の液晶を鋳型としてアモルファス・シリカ・ナノシートの合成を試みた例もあったが、剥離が十分に進行しないため、厚いものしか合成できていない。
研究チームは今回、固体の界面活性剤を溶かさずに層状の固体のまま利用する手法を選んだ。層状の固体のすき間にアモルファス・シリカを析出させてから剥離してシートを得る方法だ。この手法で合成したアモルファス・シリカは単層で剥離でき、その厚さを原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)で測定したところ、0.9ナノメートルだった。
研究成果は2月28日、スモール(Small)誌に掲載された。
(笹田)
-
- 人気の記事ランキング
-
- AI can make you more creative—but it has limits 生成AIは人間の創造性を高めるか? 新研究で限界が明らかに
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2024 「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集のお知らせ
- A new weather prediction model from Google combines AI with traditional physics グーグルが気象予測で新モデル、機械学習と物理学を統合
- How to fix a Windows PC affected by the global outage 世界規模のウィンドウズPCトラブル、IT部門「最悪の週末」に
- The next generation of mRNA vaccines is on its way 日本で承認された新世代mRNAワクチン、従来とどう違うのか?